第6話 おやおや…
  夏、到来。暑くてかないませんな…。

 ミケンが《ミケン》と共同して考案し、バイオに提案した種目。それは、確実に個人種目を減らし、なおかつ、自分の泳ぐ種目も距離も限定されるという点が、ものすごーく魅力的にミケンには見えた。そう、可能性は広がりゃしないのだ。
 その種目とは…100メートル(フリー)リレーだった!
 これなら、1人が担当するのは25メートルのみ。しかも、フリー。だったら、こんなに精神的に楽な種目は、ない。ミケンの提案にスマイリーは驚いた。

スマイリー 「ミケンさん、何でそんなに積極的なんすか?」
ミケン 「だって、これやったら、1種目減らせるやろ」

 そんな会話を聞き逃すはずのない編集部員が、その会話の内容を逐一バイオにメール送信したことは言うまでもない。バイオは心の中で呟いた。

「ふっ、ミケンめ、リレー2種目に出たからといって、お前の個人種目と距離は既に編集部員が決めているぞ…」

 そう、編集部員からは、ミケンのみ必須の「50バタフライ」という種目が既に伝えられていたからだった。バイオは、おもむろに立ち上がり、ミケンとスマイリーに近づいた。

バイオ 「リレーに出ようが出まいが、ミケンには50バタが待ってるから。あっ、ダッシュも付き合うことになってるんでな」
ミケン 「で、リレーはどないします?
 ミケンも必死である。50バタ? 最悪、これは妥協しよう。だが、他に負担をかけられる前に、もう1種目は25フリーでおさえたい…。
バイオ 「あほ、リレー? オレたちは開会式には出るけど、マスターズの閉会式には出たことないやろ。そんなんに出てたら、時間かかってしゃあないわっ!」

 おやおや…である。結局、帰り時間を優先したバイオのわがままによってリレーは却下されたのだった。しかし、編集部員はバイオの心の中をちょいと覗かせていただいたので知っている。バイオは、たとえリレーにエントリーしようとも、ミケンに2種目出させるつもりだったことを。

(これからでっせ)

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