第3話 うきうき…
 春、悄然。疲れ真っ盛り。

 新シフトにもようやく慣れてきた水泳部員たち。中でもミケンとスマイリーは燃えていた。2人は今まで以上に仕事に取り組んでおり、さすが今年30の大台に突入する「仕事盛り働き盛り」をぷんぷんと匂わせている。

 そんなミケンとスマイリーの不幸はシフトそのものかもしれない。
 昨年度、2人はバイオともダッシュとも同じ曜日に同じ校舎に勤務していなかった。それはそれで、いつ、どんな罠が待っているのか…という疑心暗鬼にさらされる恐怖もあったのだが、直接何かを言われる危険性は回避していた。
 が…今年、不幸なことにミケンは水曜の徳島と木曜の脇町でバイオと一緒になる。スマイリーは水曜の徳島と火曜・金曜の脇町でダッシュと一緒になる。
 早速、ミケンが罠にかかった

 新しい担当生徒との面接を義務づける脇町校長バイオは、2年部活クラスを担当するミケンと部屋の掃除をしに行った。そこには、野球部の生徒がおり、自習していた。バイオがその生徒に成績向上のノルマを作らせているのを聞きながらミケンは「まずいっ」と思っていた。そう、また急に話をふられそうな展開だからだ。
 バイオは生徒に念書を書かせている。なにやら、6月の実力テストにおける成績の目標値だ。その次の瞬間、ミケンは我が耳を疑った。

バイオ 「よっしゃ、じゃあ、オレたち講師も君に約束するわ。6月にオレたちもマスターズに出るんよ。そこで、ミケンがバタフライで16秒を出すことを約束するわ」
ミケン 「…」
バイオ 「出すよな」
ミケン 「…はい」

 ミケンの中で再び別人格の《ミケン》がビキャンビキャン言いながら、着実に復活を遂げようとしていた。
 もしかすると、当コラムは《ミケン》と、ワタクシ編集部員が戦う場所になるかも知れない…。そんなことを考えているうちに、心が弾んできたではないか!
 うーん、うきうき。ミケンとスマイリーの未来に栄光あれ!

(当分、続くでしょう)

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