第5話 目標いっぱい
 ダッシュは、燃えていた。ミケンに負けず劣らずの『根拠のない自信』『根拠のないやる気』が、ダッシュを突き動かすのだった。が、そう思っていたのは、周囲の無'関心な人々だけだった。実は、四国進学会水泳部には、野望ならぬ、『目標』が設定されているらしいのである。

 そもそも、この目標は、やはりバイオの何気ない一言から始まった。

バイオ 「んっ、スマイリーの県記録って、もう12年前なんやな」
ダッシュ 「昔の話ですね、むふっ」
バイオ 「あのバンデ氏の記録も残ってるな」
ダッシュ 「体重が二桁だった昔の話ですよ、むふむふっ」
バイオ 「おっ…これは…」
ダッシュ
「むふむふむふっ」

 2人の視線の先には、200メドレーリレーの記録が掲載されていた。

 現在、県内の公認大会でこの種目を採用しているのは、県学童選手権徳島市中学総体四国学童選手権のみ、である。高校生以上の大会には存在しないのだ。しかも、スイミングクラブ単位での大会も中学生以上には存在せず、2006年5月現在、川内中学の2分07秒73である。ちなみに、2005年度の県ランキング1位はOKSSチームで、小学生のチームなのだった。記録は2分13秒96…。

バイオ 「これって、頑張ったら、何年か先には出せるんじゃないか?」
ダッシュ 「とりあえず、県のランキング1位を小学生と争いましょう、むふっ」
バイオ 「そうだな」
ダッシュ 「むふむふっ」
 こうして、四国進学会の目標として、現実的な数値が設定されたのである。バックにスマイリー、ブレにバイオ、バッタにダッシュ、フリーをミケン。このメンバーで、夏の蔵本における勤労者大会で目標2分13秒を目指すことになったのだ。しかし、勤労者大会の要項を見てみると、メドレーリレーは400しかないではないかっ! バイオは、水泳連盟総会時に競技委員長におずおずと訊ねた。
バイオ 「あのーっ、夏の大会、本来400のメドレーリレーしかないんですが、200に出てもよろしいですか?
委員長 「ええよ。何でも出てよ」

 またもや、水泳連盟のありがたい(?)ご理解により、この目標は現実のものとなったのだった。だが…やはりカギを握るのはどうやらミケンらしい…。

(んっ、続きまくるような気がしてきた)

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