第12話 荒唐無稽(こうとうむけい)
【意味】言うことがとりとめもなく根拠がない
 ミケンは、決意した。文字通り、眉間に波打つ皺を、一層ビキャンビキャン言わせながら、決意した。
ミケン 「オレ、何を言われたって、自分の決めたとおり蔵本では50フリーにしか出えへんぞ」
《ミケン》 「そうやそうや、なんぼ泳いだって、このままやったら、あの2人の策略にカッポンカッポンはまっていくだけやで、ビキャンビキャン」
ミケン 「そうや、何をしても、何をがんばっても、次の試練がオレを待ってんねん。せやから、オレは50フリー一本に絞るんや
《ミケン》 「せやせや、 ビキャンビキャン」
 ミケンは、その日がバイオ&ダッシュの揃っている火曜日であることなどお構いなしに、決意を固めるのであった。

 一方、悪人コンビであるバイオ&ダッシュは、阿波校において、やはりミケンの2つめの種目を決めかねていた。

バイオ 「あーあ、考えたって決まらないだろ」
ダッシュ 「むふーんっ、確かに」
バイオ 「よしっ、こうしよう。今から選択肢を作るわ」
ダッシュ 「とは?」
バイオ 「そうやな、(1) 50フリー一本(2) 50フリー&50バッタ(3) 50と100のフリーやっ」
ダッシュ 「むふりんっ」
 こうして、バイオは、全てをミケンに委ねてやることにした。バイオにしては珍しく、好意的な…と、思いきや…
ミケン 「はい、ミケンですけど」
バイオ 「おうっ、ミケン君。今から3択な。(1)と(2)と(3)、どれがいい?
即答しないと、バイオが切れるのを知っているミケンが、混乱していた。
心の中で、わずかに葛藤し、そして、何のこっちゃわからないまま、答えようとした。が、《ミケン》が、止めた。
《ミケン》 「おいっ、あの選択肢、内容がわかれへんやないかい」
ミケン 「しゃあないやろ…」
心での会話を終え、ミケンはバイオに向かって、告げた。
ミケン 「(2)番で」
バイオ 「よっしゃ、わかった」

 こうして、バイオの、わけのわからない荒唐無稽な問答に乗っかってしまったミケンの50バッタが、ようやく正式に、ここに決定したのである。

(ビ、ビ、ビ、ビキャ…)

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