第11話 万世不易(ばんせいふえき)
【意味】永久に変わらないこと。
 ミケンは、バイオやらダッシュやらの視線を読んで、だいたい、何を企んでいるかを想像できるようになった。ミケンの読んだところ、やはりハイパーは、50フリーにしかエントリーされないらしい。が…自分は…。どう裏読みしても、やはり自分には他の種目が待っているようだ…。バイオに「お前、100なっ!」だの「50バックじゃわい」だの、はたまた「200の個人メドレーに一発挑戦せんかいや」だの言われたら、もう生きていくことはできない。せめて、新しい部員が入り、且つ、自分より年下で、且つ、自分の後輩にあたる選手がいれば、こんなにいじられることはなくなるのに…と、悲観していた。

 そんな時、別人格《ミケン》が、本家本元のミケンに親しく話しかけてきた。

《ミケン》 「なあ、お前、どうせなら、自分で2つ目の種目を決めて、立侯補した方がいいんとちゃうか、ビキャンビキャン」
ミケン 「やっぱり、そうかなあ。オレもそんな気はしてたんや」
《ミケン》 「そうやで、ビキャンビキャン」
ミケン 「でもな、こんな辛いのも今年限りかもな、って思ってるから、今年だけは我慢しようか、って思ってんのや」
《ミケン》 「んっ? どうないしたんや? ビキャンビキャン」
ミケン 「だってな、もしかしたら来年は新入社員が入るかもしれへんやろ。そしたら、その子が、どんなにカナヅチでも、ウチの会社やったら、大会に出されるから、オレが楽できるはずやで」
《ミケン》 「……お前は幸せなやっちゃな…。あのな、どんなに若い新入社員が入ったって、お前とバイオ&ダッシュさんの年齢差は一生変われへんのやで、ビキャンビキャン」
ミケン 「そうや…結局、オレは、いじられんねんや…」

 そう、その通り。ミケンは、いつまで経ってもバイオ&ダッシュの年下であることは万世不易、変わらないのだ。ミケンは、悲しくなった。が、燃える男、ミケンはある決意をしたのだった。その決意は、次回に。

(ビキャンビキャン)

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