第4話 ぐっ?
 ミケン森田のミケンが、昨年の夏くらいから別人格を形成し、しかも、独立した個性を持つに至った過程を、このコーナーの愛読者ならご存知だろう。無論、ハイパーも同僚として、愛読者として、ミケンの成長ぶりに腹をかかえて笑い転げていた一人である。
 だが、今回、ついにハイパーの中に眠っていた「胃」が、ミシミシと軋みはじめ、「ストマック」なる人格を形成しはじめたことを、おそらく、徳島中の誰一人として、知る由もない。そう、ストマックはハイパーを精神的にサポートするどころか、ミシミシと捻りはじめた。
 ハイパーは、時折、ストマックに苦しめられていたが、まさか、別人格を形成しつつあることには気づかなかった。ある日、ハイパーに突如としてストマックが悪魔のように囁いた。
ストマック

「ミシミシ。おいお前、もし、オレが暴れたら大会に出なくても済むんちゃうか。ミシミシ」

ハイパーはへこたれない。
ハイパー 「いや、そんなんはできない相談やな。だって、オレは『無理』なんて言えないからな」
ストマック 「でも、ホンマに泳げるんか? ミシミシミシッ」
ハイパー 「頑張るわっ」

 ハイパーの不幸は、別人格ストマックの存在を知る人間が周囲に存在しないことだった。つまり、独り言、になってしまうのだった。それを聞いたのが毒々しいポイズンであったことはハイパーのさらなる不幸を予感させる。

 ポイズン 「バイオさん、ハイパーさんが気合い入れて『頑張るっ』って言ってましたよ」

 バイオは、ニヤリとうなずいた。そして、決心した。早速、一緒に泳ぎに行って、バシバシ鍛えてやることを。鬼コーチであるバイオの、目が輝いている。ハイパーは、まだ一回も練習していないのに、追い込まれている。
 ニヤリ……。

続きまくる)

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