第2話 はっ?
 ハイパーは憂鬱だった。なにしろ、泳げない、のだ。が、生徒たちが、「ねえ、先生…こんな問題…無理」などと愚痴をこぼしたら、熱血さわやか校長のハイパーは「何を言ってるんだ。無理、なんてことはない。さあ、一緒にがんばろうっ!」と答えるのだ。その自分が、「無理…」など、間違っても言えなかった。

 しかも、引くに引けない事態が進行していることに気づかないハイパーであった。

 四国進学会水泳部は、表向きの活動をしている部員たち以外に、とても存在感のある「カントク」が、いる。それが高校部の代表取締役である上村カントクであった。上村カントクは、日ごろから水泳部諸君の活動をサポートしてくれる最大の理解者でもある。そのカントクに、バイオが、ダッシュからの要望を伝えた。

バイオ 「あのーっ、実は大会に出たとき、ウチのチームはユニフォームがなくて、不揃いなんですよ」
カントク 「んっ? おいおい、水着も作ってるんだろ?」
バイオ 「いや、開会式や閉会式のときのジャージがなくて、皆、私服なんですよ」
カントク 「ほうか、それは、ウチも揃えなんだらあかんな。よっしゃ、バイオ君。部員たちのサイズを聞いて、注文するぞ」
バイオ

「そうですか。ありがとうございます。では、いつものメンバー3人に加えて、今度からハイパーも参加させてよろしいですか?

カントク 「どうしてだ?」
バイオ 「はい、実は、かくかくしかじか…で、リレーに出られるんです」
カントク 「よっしゃ、ならハイパーと、あとは応援班のポイズンの分も用意しとこう」
バイオ 「では、水着もハイパーの分を用意していいですか?」
カントク

「もちろんだ」

 こうして、ハイパーは、太っ腹のカントクの「御好意」により、大会参加を決定されてしまったのだった。

 ハイパー市原、27歳、勝瑞校校長。カナヅチ。試練の夏が、待っている。

続きまくる)

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