平成17年度 徳島県マスターズ夏季大会編

  2005年6月12日(日)は、前日小雨がぱらついたものの、良い天候の中、『いしいドーム』で開催された。我が四国進学会水泳部に何かと縁があるのかも知れない卒業生である横浜ベイスターズの牛田投手から、前日に「1軍昇格」の連絡。そういえば、昨年の県勤労者大会の前日も同様の連絡があったことを思い出した。
 さて、今回は四国進学会チーム。初登場2名、さらには、リレーにも出場という初モノづくしである。何よりも、ロージーヤスコこと新居靖子が女性としては初の参加である。
 さて、集合8時。バイオ以外は時間通りに登場した。毎回のごとくTSDの控えに寄生しつつ、各自、自分の出番を確認するためにプログラムをチェックする。すると…大会記録に、ダッシュこと吉田竜也とバイオこと山本俊輔の名前が大会記録として記されていた。創部8年。ついに、こうやって四国進学会が大会記録に名を残すようになって、感慨深いものに包まれる部員たちであった。

 アップを終え、揃いの新調ジャージを着て開会式に臨む。開会式が終わったら、すぐにメドレーリレーである。
 男子合計年齢120歳以上の部100メートルメドレーリレーに四国進学会チームが参加する。バック(背泳)はミケンこと森田耕平、ブレスト(平泳)はバイオ、バッタ(バタフライ)はダッシュ、フリー(自由形)は初参加のハイパーこと市原圭介というオーダーである。親交の深いTSDチームも、四国進学会に付き合って、リレーにエントリーしてくれている。が…『付き合って』などというレベルではないメンバーだ。

実は今回から水着も新調。左から、山本選手、市原選手、吉田選手、森田選手。
 バックはこの種目でバルセロナオリンピックベルギー代表として9位で、なぜかダッシュやミケンの結婚披露宴の司会を務めたバンデワーレ。ブレは四国進学会川内校出身で国体400メートル個人メドレー元優勝者下窪。バタフライは全国実業団体会に、13年連続出場西村。フリーは、これまた全国ジュニアオリンピック優勝経験者小松、という、かなりのメンバーであった。

 デビュー戦のハイパーだけでなく、ミケンのバックも初モノ。ダッシュのバッタも初モノ。まさに海のものとも山のものともつかないチームだが、出られるメンバーが揃ったことに、何よりも強い感慨を覚えずにはいられない。

 レース前に、ミケンがバンデワーレにアドバイスを求めたものの、バンデワーレ曰く「あのな、オリンピックより緊張してるんやという、元超一流選手とは思えない一言で、あえなくミケンのもくろみは、散った。

 バンデワーレは、昔取った杵柄、さすがに13秒67という素晴らしいタイムで泳いだ…が、ミケンはなかなかゴールしない。ミケンは25メートル以上ふらふら曲がりながら泳ぎ、30秒73でゴール。ちなみに、この時、既にTSDチームは、第3泳者の西村がスタートしていた。
 これに困ったのが撮影班ポイズンこと森川。誰を、どこを、何を撮影したらいいかわからず、同じく今回から応援班として夫婦で応援に駆けつけたジュリーこと小宮に助けを求めていたとか、いないとか。
市原選手の大会デビューはこのメドレーリレーから。隣チームとの差をどれだけ縮めることができるか。
 バイオが無難に泳ぎ、ダッシュの初バッタ。これは、なかなか見事な17秒44。そしてデビューしたハイパーは17秒70の上々の成績。トータル1分20秒92でゴールした。なお、TSDは驚異の54秒だった。全国でも有数の記録であろう。なお、バイオ以外、3名のコメントが映像で届いている。
3選手によるコントコメント。
 その直後、25メートル自由形。我が四国進学会のメンバー、老若男女を問わず、全員の「必須種目」として設定している。ちなみに友好関係を保つTSDもほぼ全員が出場し、なおかつ個人的な友好関係を結んでいる有澤氏も出場した。競技順序は、女子が先である。女子25歳区分にはロージーヤスコが出場した。ロージーは学生時代から優雅な泳ぎを目指し、常にゆったりと泳いでいた。が、今回の大会から『屋内のプール限定』で出場することを決意した。ロージーは、そもそも太陽が、お嫌いである。よって、マスターズ大会が年2回、しかも屋内プールで開催されることによって出場したのだった。
 しかし、優雅であったロージーの泳ぎ。決して競泳には向かない。そこで、ロージーは、ハイパーやミケンが師匠と慕うスミカコーチに師事し、教えを乞うた。するとロージー曰く「何だか、進み方が変わりました」らしい。本番での成果が期待できそうな予感を胸に、ロージーはスタート台に上がった。ゆったりとしたスタート。まさに《優雅》だ。泳ぎも、《優雅》だ。しかし、6年前からロージーの泳ぎを知っているバイオは、スピードが格段に上がっているのを認識し、驚いた。で、ゴール! タイムは18秒80。大会記録を更新しての、見事なデビュー戦であった。
初出場・新居選手の優雅な泳ぎ
 これを見て、心臓だの胃(ストマック)だの眉間(ミケン)だのをビキャンビキャン・ミシミシさせていたのが、ハイパーとミケンだった。ミケンは過去2回25メートル自由形に出場し、ベストが17秒56。ハイパーは先程、リレーの引き継ぎで17秒70。女性で、しかも《優雅》なロージーのタイムに及ばないと、それこそバイオ&ダッシュに何を言われるか…
吉田選手25m自由形
 2人の緊張が高まる。そんなこんなしているうちに、男子の番がきた。年齢区分の高い人々から順に泳ぐ。バイオはTSDの西村氏と共に泳ぐ。西村氏はバイオの高知時代の後輩らしい。実業団でも、よく会っている、らしい。その2人が13秒1013秒12、僅差で先輩バイオの勝ち。次の組には、ダッシュ。横には四国進学会川内校出身の下窪氏。しかし、やっかいなのは、さらにその向こうを泳ぐ小松氏である。27歳という若さで、しかも、速い! 11秒台という反則もどきのタイムで泳ぎきった。一方、我らがダッシュは、ゆったりと大きい泳ぎを心がけて、14秒95でゴール。今夏、初出場する全国実業団大会に向けて、調整は着々と進行中である。なお、当取材班の調べでは、ダッシュは毎晩腕立て伏せを、なんと700回(100回×7セット)も、しているらしい。なんと不健康な…
 ようやく、数々のドラマを経た後で、ミケンと、そしてデビュー戦のハイパーがコース台に上がる。2人は、ドキンドキン、である。
 飛ぶ、そして、泳ぐ。おっ、ハイパーが、なかなかやるぞっ! 皆が思った。まるで去年のダッシュとミケンの戦いと似たような状況なのだ。ベテランのミケンにハイパーがしっかりとついていく。ミケンは焦る。ハイパーが追う。そして、ゴールっ! ミケンのタイムはベストを大幅に更新する15秒72。ハイパーは、リレーの引き継ぎを上回る17秒49であった。
森田選手&市原選手25m自由形
 泳ぎ終わったハイパーは、体調不良を打ち明け、先に帰って行ったが、やはりさすがに最年少ながらも、校長を務めるツワモノであることを証明した。スミカコーチからも「お二人は、『初めてのプール』のクラスは卒業して下さい。と言われていた。ここに、めでたく、ハイパーvsミケンの蔵本における50メートル自由形のライバル対決が、新たに始まるのだった。

  さて、最近、メキメキ上達をしているのがミケンのバタフライ。3月の春季マスターズでは、カメラに見失われるくらいひどかったバタフライだったが、今回は、やはりベストを3秒も更新し、18秒91で泳いだ。悪魔のバイオが蔵本での県勤労者にミケンの50バタフライをエントリーしようとたくらんだ瞬間、ミケン・ハイパーの最良の味方であるスミカコーチから、「私は、今のミケンさんが出場する前には、しなきゃいけないことがたくさんあると思います」
と、バイオの悪巧みを阻止してくれたのであった。が…無論、バイオ&ダッシュは諦めない。おそらく、次の新コーナーで、ミケンを追い込むつもりなのだろう。

 さて、最後にバイオの100平泳ぎ。昨年のこの大会。バイオは『それまでの7年間』でのベストタイムである1分14秒69で泳いだ。36歳という年齢を考えれば、すごい、の一言だ。実際、心臓がギュイーンと鳴ったのをバイオは聞いたのだ。しかも、最近では高血圧に悩み、4日前、体調不良で病院に行った時、血圧の「下」が110もあり、凹んでいる。
山本選手100m平泳ぎ
 そもそも、スプリント能力に著しく欠如しているバイオは、同年で25と50の平泳ぎのスペシャリストである有澤氏を尊敬している。しかし、100だけは、彼に負けまいとも思っていた。そして、実際に勝っているつもりだった…。が、昨年11月。有澤氏が100平泳ぎで1分13秒で泳いだのだ。それを見て、バイオは燃えた。100だけは頑張ろう、と決意し、今回、高血圧ながらも、燃えた。結果、1分13秒18は、この8年間のベストタイムである。無論、昨年、自らが打ち立てた大会記録も更新した。自身の中学2年生のタイムに近づいたバイオは、少し上機嫌だった。

 さて、7月31日(日)。蔵本で県勤労者大会が行われる。今回の大会は、全国実業団大会と日程が重なってしまった。よって、バイオとダッシュが全国実業団に参加するために長野に遠征する。残留組のミケンとハイパーが、熱い戦いを蔵本で見せてくれるであろう。

 夏。またもや、伝説が生まれる。

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